近代建築

旧学習院初等科正堂

旧学習院初等科正堂(国指定重要文化財)
所在地:千葉県成田市大竹1451 千葉県立房総のむら内
竣 工:1899年(明治32年)
移 築:1975年(昭和50年)
設 計:新家孝正
施 工:不明
構 造:木造一階建、スレート及び瓦棒銅板葺
重要文化財指定日:1973年6月2日


2019年4月14日撮影

沿革・概要

旧学習院初等科正堂は、1899年(明治32年)、当時の東京市四谷区尾張町に講堂として新家孝正の設計で建築された。1936年(昭和11年)、皇太子の入学に備えて講堂(正堂)を改築することになり、宮内省下総御料牧場があり、皇室とゆかりの深い千葉県印旛郡遠山村(現成田市)への下賜が決まり、遠山尋常高等小学校(現成田市立遠山中学校)の講堂として移築された。それ以来、長らく講堂として使用されていた。しかしながら、講堂の新築に伴い、講堂としての役目を終えた旧講堂は明治の洋風建築として移築保存されることになり、1973年(昭和48年)国の重要文化財に指定された後、解体保存され、1975年(昭和50年)に千葉県立房総風土記の丘(現千葉県立房総のむら)へ移築された。

新家孝正:旧学習院初等科正堂の設計者である新家孝正は明治大正期に活躍した建築家で、皇居御造営事務局技手として宮内省関連の庁舎の設計に従事。農商務省(現在の経済産業省と農林水産省)庁舎などを手掛けた。旧学習院初等科正堂のほか、無鄰庵洋館、旧川崎銀行水戸支店、上野動物園旧正門、片山東熊、高山幸次郎らと共同で設計した東京国立博物館表慶館などが現存している。

西洋建築のデザインを取り入れながら、日本の伝統的木造建築の技術を用いて造られている。内部は、正面入口側に円柱列を立て、中央に広間を取り、背面に広間床より高い演壇を設ける。演壇正面には半円形の木製の階段4段を設け、広間東西に控室を設け、広間及び控室には上部飾付窓をつけている。外観は屋根が魚鱗のように敷きならべた寄棟造りの天然スレート葺による木造平屋建てで、広間の正面及び側面前寄りに方柱を立て吹放しのベランダを廻し、南面中央に石階5段を設ける。その上部に一段低く落とした庇が付く構造となっており、左右後方には控室があって、背面には演壇があって後方に膨らんでいる。外壁の下見板張りは皇室絡みの建造物としては簡素だが、ベランダの奥にリズミカルに並ぶ板戸や繊細な柱頭飾りを持つ華奢な列柱など、全体としてとても上品な印象を与えている。この時期の学校建築の中で数少ない講堂建築として貴重である。

旧学習院初等科正堂へのアクセス

住所:千葉県成田市大竹1451 千葉県立房総のむら内
最寄り駅・バス停:JR成田線安食駅からバスで約6分 風土記の丘北口下車 徒歩5分

旧学習院初等科正堂フォト

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